第四話
線路の横の家

 「A建物」のHさんは、第3話の幼稚園の横の家に続いて、F市のF駅から徒歩15分の第一種低層住宅専用地域という好条件の家に私達を案内した。このあたりは道が細く複雑でHさんは何度も同じところをぐるぐると回った。やっとたどり着いた家は、2LDKで2700万円の小さいけどおしゃれな家だった。両隣が同じデザインの家でカラーリングだけが少し違った。最近はこのように土地を2等分、3等分にして家を建てる場合が多く見られるようになった。もちろん庭なんてものはない。F市の中心でありながらこの価格なのは、狭いことの他に線路に隣接していることが影響していると考えられた。見学中も5〜10分おきに電車が通っていく。しかし、ここを通る電車は減速しているせいか、それほどうるさくは感じない。JRではないので、夜中に貨物列車なども走らないだろう。
 この家の特徴はリビングが2Fにあることである。階段を上がるとドアも無くそこが、リビングになっている。これでは冷暖房の効率が悪くないだろうかと心配になった。2Fはリビング、ダイニング、キッチンしかない。つまり一つのフロアになっている。なぜリビングが2Fにあるかというと、南には隣の家がたっていて日をさえぎるためであった。たしかに2Fにはすこしばかり日が差し込むのだが、1Fの二部屋はとても暗かった。

 両隣の家は既に入居済みであり、真ん中の家だけが売れ残っていた。家と家の間の隙間はほとんどないので、真ん中の家はやはり圧迫感があるように思えた。売れ残ったのは必然のように思えたが、Hさんは、この家は一度売れたのだけど事情があってキャンセルされたと説明した。設計者のセンスのよさを感じる家だったが、やはり2LDKは子供が生まれたことを考えると狭すぎるように思えた。それに同じデザインの家が両隣に立っているとうのは、我慢できない。
 建売業者が一軒の家が建っていた土地を2〜3等分して小さな家を建てる場合、若者向けの洒落た個性的な家を建てることが多いようだ。しかし同じデザインの家を建てるのはどうだろうか?もちろん建築コストが上がってしまうのはわかるのだが・・・。

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